English Poetry and Literature
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オーデン(W.H.Auden):詩の翻訳と解説



漂泊者 The Wanderer:W.H.オーデン
あの音は何の音 O What Is That Sound :W.H.オーデン
この島で On this Island:W.Hオーデン
哀悼のブルース Funeral Blues :W.H.オーデン
秋の歌 Autumn Song:W.H.オーデン
真夏の谷間を O the valley in the summer where I and my John
ローマ城壁のブルース Roman Wall Blues:W.H.オーデン
愛ってほんとうは何 Tell me the truth about love:W.H.オーデン
ララバイ Lullaby :W.H.オーデン
湖の彼方へ Carry Her Over the Water :W.H.オーデン
ある夕べ As I Walked Out One Evening :W.H.オーデン
美術館 Musee des Beaux Arts:W.H.オーデン
W. B.イェイツを偲んで In Memory of W. B. Yeats:W.H.オーデン
独裁者の墓碑銘 Epitaph on a tyrant :W.H.オーデン
1939年9月1日 September 1, 1939:W.H.オーデン
亡命者のブルース Refugee Blues:W.H.オーデン
無名の市民 The Unknown Citizen:W.H.オーデン
おれのいうことがわかるだろう If I could tell you:W.H.オーデン
夜の散歩 A Walk After Dark:W.H.オーデン
ローマの没落 The Fall of Rome:W.H.オーデン
アキレスの盾 The Shield of Achilles:W. H.オーデン
今よりもっと愛する The More Loving One:W.H.オーデン





オーデン W.H.Auden(1907-1973)という詩人を解釈する際に依拠すべき視点が三つある。ひとつはコスモポリタニズムと非宗教性、二つ目は反権威主義と政治的闘争心、そして三つ目は同性愛的な感性である。

コスモポリタニズムという点では、オーデンはイギリスで生まれイギリスで教育されたにもかかわらず、その作品は国籍を感じさせない、つまり特定の民族的な伝統と離れたところで創作を続けた。そうした態度は、特定の宗教に縛られないアセイックな傾向につながった。これはイェイツなどとは正反対の生き方だ。

オーデンは徹底して反権威主義の姿勢を貫いた。それは同時代に吹き荒れたファシズムやナチズムへの嫌悪につながり、人間の個人としての自由と尊厳を尊重する態度と結びついた。同時代の多くの詩人たちとは異なり、オーデンの詩には政治的な匂いがする。

オーデンは生涯同性愛者として過ごした。女性とのかかわりがなかったわけではないが、彼は女性との間では、人間同士としての関係を構築することができなかった。感性の上でも、精神の上でも、また肉欲の上でも、かれはゲイであり続けた。

オーデンのこうした生涯にわたる傾向は、パブリックスクールとそれに先立つプレパラトリースクールでの生活と経験のなかから培われた。かれはパブリックスクールを「悪魔が支配する原始的な場所」とも、「全体主義的国家」とも呼んでいるが、そこでの抑圧された少年時代が、権威に対する憎悪を生み出し、また少年だけからなる共同体での生活が、同性愛を育んだのだろう。

オーデンはすでに学生時代から非凡な才能を示していたが、彼が詩集を発表したのは1930年である。それ以前の1928年に私家版の詩集を出しているが、本格的な詩集はこれが初めてだった。

この詩集は、パブリックスクールの同僚であり、また同性愛の仲間でもあったクリストファー・イシャウッドに捧げられた。イシャウッドに対する献辞の中に、オーデンは次のような言葉をはめ込んだ。


垂直的な人間 Vertical man:W.H.オーデン(壺齋散人訳)

  できれば垂直的な人間を
  尊重しようじゃないか
  俺たちには水平的な人間しか
  理解できないけれど


Vertical man

  Let us honor if we can the vertical man,
  though we value none but the horizontal one





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