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萎れたスミレに On a Faded Violet


萎れたスミレに:パーシー・シェリー

  花の香りがうつろってしまった
  あなたのキスのような甘い香りが
  花の色があせてしまった
  あなたのかんばせのような輝きが

  しなびれて 命なく うつろな形が
  見捨てられた私の胸に横たわる
  ぬくもりのある私の胸に
  冷たく そして静かにふれる

  泣いたとて 花は生き返らない
  ため息をついても 戻らない
  ものいわず あわれげなその姿は
  私の行く末を見るようだ


この詩は1818年、イタリアで書かれたものだろう。萎れたスミレに、命のはかなさと愛のもろさを歌いこんだもののように響く。詩人はその萎れた姿に、自分の死を見つめてもいる。








On a Faded Violet By Percy Shelley

  The odour from the flower is gone
  Which like thy kisses breathed on me;
  The colour from the flower is flown
  Which glowed of thee and only thee !

  A shrivelled, lifeless, vacant form,
  It lies on my abandoned breast;
  And mocks the heart, which yet is warm
  With cold and silent rest.

  I weep --- my tears revive it not;
  I sigh --- it breathes no more on me:
  Its mute and uncomplaining lot
  Is such as mine should be.





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