English Poetry and Literature
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ブライト・スター Bright Star



  北極星よ あなたのようにわたしもありたい
  夜空に高く 星々を従えて輝き
  眠りを知らぬ隠者のように
  まぶたを大きく見開いて
  永遠の波が渚をめぐって
  次々と押し寄せるさまを見続けていたい
  また山々や原野の上に降り積もった
  真っ白な雪の絨毯を眺めていたい

  いやもっと確かな命を生き続けたい
  いとしい人の豊かな胸を枕にして
  その胸が上下に揺れるのを感じ取りながら
  甘い欲望の中に永遠に目覚めつつ
  その息づかいを聞き続けていたい
  死んでしまうまでずっと そうしていたい


「ブライト・スター」と題するこの詩を、キーツは1819年に書いたが、翌年ローマに向かう船の中で書き改め、そこからファニー・ブローンに宛てて出した手紙に添えた。

キーツはこの旅行が死出の旅になるだろうということを、よく理解していた。だからファニーへの愛には、切羽詰ったものがあった。キーツはその手紙の中で、自分はむしろあなたの傍に居続けて、あなたの接吻から毒をもらい、それで以て死んでいったほうがよかったかもしれないと書いている。

またその手紙の中でキーツは、ファニーをヴィーナスにたとえ、彼女の星のために祈り続けるとも書いている。

I will imagine you Venus tonight and pray, pray, pray to your star like a Hethen."

キーツはこうした切ない思いを、この詩の中で吐露しているのである。こんなにも哀切で、真情のこもった詩を、筆者はそう多く読んだことがない。








Bright Star - John Keats

  Bright star, would I were steadfast as thou art--
  Not in lone splendour hung aloft the night
  And watching, with eternal lids apart,
  Like nature's patient, sleepless Eremite,
  The moving waters at their priestlike task
  Of pure ablution round earth's human shores,
  Or gazing on the new soft-fallen mask
  Of snow upon the mountains and the moors--
  No--yet still stedfast, still unchangeable,
  Pillow'd upon my fair love's ripening breast,
  To feel for ever its soft fall and swell,
  Awake for ever in a sweet unrest,
  Still, still to hear her tender-taken breath,
  And so live ever--or else swoon to death.





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