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水仙 The Daffodils


ウィリアム・ワーズワースの詩「水仙」 The Daffodils を読む。(壺齋散人訳)

  谷間をただよう雲のように
  一人さまよい歩いていると
  思いもかけずひと群れの
  黄金に輝く水仙に出会った
  湖のかたわら 木々の根元に
  風に揺られて踊る花々

  銀河に輝く星々のように
  びっしりと並び咲いた花々は
  入り江の淵に沿って咲き広がり
  果てしもなく連なっていた
  一万もの花々が いっせいに首をもたげ
  陽気に踊り騒いでいた

  湖の波も劣らじと踊るが
  花々はいっそう喜びに満ちている
  こんな楽しい光景をみたら
  誰でもうれしくならずにいられない
  この飽きることのない眺めは
  どんな富にもかえがたく映る

  時折安楽椅子に腰を下ろし
  物思いに耽っていると
  脳裏にあのときの光景がよみがえる
  孤独の中の至福の眺め
  すると私の心は喜びに包まれ
  花々とともに踊りだすのだ


「水仙」はワーズワースの詩の中でももっとも名高いものだ。書かれたのは1804年だが、それ以前に妹と旅したときに出会った水仙の群を、感動の中で思い出しつつ書いたとされる。

無数の水仙の花がいっせいに首をもたげ、風に揺らめくさまは、幻想的である。詩人の魂もまた、その幻想の中で、水仙とともに踊りだしたのだろう。

水仙を見たときの感動は、鮮烈なイメージとなって長くワーズワースの心にわだかまった。時折そのイメージが心のそこからわきあがってくる。詩はそんな際に書きとめられたのだと思われる。








I wandered lonely as a cloud -William Wordsworth

  I wandered lonely as a cloud
  That floats on high o'er vales and hills,
  When all at once I saw a crowd,
  A host, of golden daffodils;
  Beside the lake, beneath the trees,
  Fluttering and dancing in the breeze.

  Continuous as the stars that shine
  And twinkle on the milky way,
  They stretched in never-ending line
  Along the margin of a bay:
  Ten thousand saw I at a glance,
  Tossing their heads in sprightly dance.

  The waves beside them danced; but they
  Out-did the sparkling waves in glee:
  A poet could not but be gay,
  In such a jocund company:
  I gazed - and gazed - but little thought
  What wealth the show to me had brought:

  For oft, when on my couch I lie
  In vacant or in pensive mood,
  They flash upon that inward eye
  Which is the bliss of solitude;
  And then my heart with pleasure fills,
  And dances with the daffodils.





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