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早春の賦:ウィリアム・ワーズワース


ウィリアム・ワーズワースの詩「早春の賦」 Lines Written In Early Spring を読む

  木々の間に横たわった私は
  自然の奏でる音を聞いた
  すると心地よい思いはいつしか
  悲しい思いに変わっていた

  人間の心は自然の一部
  私も自然と結びついている
  だがそのことが私を悲しくさせる
  人間は自然に何をしたかと

  プリムローズの繁み越しに
  ペリウィンクルの花が連なる
  花々は自然の息吹を享受している
  そう私は確信する

  小鳥たちは跳ねつつ飛び交う
  彼らの思いは計り知れぬが
  ちょっとしたその仕草にも
  生きる喜びが感じられる

  つぼみを含んだ枝々が広がり
  そよ風を受け止めようとするのを見ると
  そこにもまた喜びがあると
  そう私は思わずにはいない

  もしこの思いが天からの贈り物なら
  もしこれが自然の計らいなら
  わたしにはもう悲しむことはない
  人間もまた自然の一部なのだ


「早春の賦」は、ワーズワースとコールリッジの共同作品にして、ワーズワースの処女作ともいうべき「リリカル・バラッズ」の初版に掲載された。ワーズワースの初期の詩を代表するもので、自然詩人といわれた彼の作風が、はやくも完成した形で見られるものである。

作詩したのは1798年頃、小川のほとりで自然に包まれながら書いたとされる。

詩の前半では、人間は自然の一部でありながら、自然に反する生き方をしているのではないかと自問しているが、あたりに漂う自然の息吹を感じているうちに、人間もまた自然の一部なのだということを改めて感じ取り、深い満足の余韻を残しながら筆をおいている。







Lines Written In Early Spring

  I HEARD a thousand blended notes,
  While in a grove I sate reclined,
  In that sweet mood when pleasant thoughts
  Bring sad thoughts to the mind.

  To her fair works did Nature link
  The human soul that through me ran;
  And much it grieved my heart to think
  What man has made of man.

  Through primrose tufts, in that green bower,
  The periwinkle trailed its wreaths;
  And 'tis my faith that every flower
  Enjoys the air it breathes.

  The birds around me hopped and played,
  Their thoughts I cannot measure:?-
  But the least motion which they made,
  It seemed a thrill of pleasure.

  The budding twigs spread out their fan,
  To catch the breezy air;
  And I must think, do all I can,
  That there was pleasure there.

  If this belief from heaven be sent,
  If such be Nature's holy plan,
  Have I not reason to lament
  What man has made of man?





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