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クレージージェーン裁きの日を語る Crazy Jane On The Day Of Judgment:イェイツの詩



ウィリアム・B・イェイツの詩「クレージージェーン裁きの日を語る」Crazy Jane On The Day Of Judgment(壺齋散人訳)

  愛はすべてさ
  からだも心も
  なにもかも愛するんでなければ
  満足できない
  こんな風にジェーンはいった
  愛するんなら
  欠点も愛して
  ときにはあんたを口汚く
  罵り続けることだってある
  たしかにそのとおりだと、男はいった

  あたしは草の上で
  裸で寝そべっている
  真っ暗な裁きの日にも
  裸のまま隠れていよう
  こんな風にジェーンはいった

  なにがいったいわかるっていうの
  ほんとの愛ってなんのこと
  いずれはわかるものじゃない
  時さえ過ぎてしまえば
  たしかにそのとおりだと、男はいった


人が最後の審判の日に尋問される事柄とは、神への愛についてである。それが精神的なものであるのはいうまでもない。だがジェーンにとって愛とは肉体と結びついたものである。肉体を離れた純粋な愛など、彼女にとってはナンセンスなのだ。

ここでジェーンが語りかけているのは、旅人ジャックだろう。





Crazy Jane On The Day Of Judgment

  'Love is all
  Unsatisfied
  That cannot take the whole
  Body and soul';
  And that is what Jane said.

  'Take the sour
  If you take me
  I can scoff and lour
  And scold for an hour.'
  "That's certainly the case,' said he.

  'Naked I lay,
  The grass my bed;
  Naked and hidden away,
  That black day';
  And that is what Jane said.

  'What can be shown?
  What true love be?
  All could be known or shown
  If Time were but gone.'
  'That's certainly the case,' said he.





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