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追憶 Y His Memories:イェイツの詩を読む |
ウィリアム・B・イェイツの詩集「塔」から「男の生涯Y 追憶」His Memories(壺齋散人訳) わたしらは人目に触れてはならぬ 秘められた標本のようであらねばならぬ サンザシのように身を折り曲げ 冷たい北風に吹かれながら 埋葬されたヘクトルのことや 誰も知らないことを考えていよう 女たちはわたしの言うことなど 少しも聞こうとせずに 退屈そうに去っていくと ロバのいななきに聞き入るのだった 薔薇の枝のように折れ曲がったわたしの 腕の先には美しい女性が横たわっているのに そこに寝ている美しい女性が 官能の逸楽に耽っている あの偉大なヘクトルを失墜させ トロイを破滅させた女性 彼女がわたしの耳にささやくのだった 「もし よがり声をたてたら 叩いてね」 イェイツはモード・ゴンとの間に、一度だけ性交の機会を持つことが出来た。この詩はそのときのことをふりかえったものだ。 |
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Y His Memories We should be hidden from their eyes, Being but holy shows And bodies broken like a thorn Whereon the bleak north blows, To think of buried Hector And that none living knows. The women take so little stock In what I do or say They'd sooner leave their cosseting To hear a jackass bray; My arms are like the twisted thorn And yet there beauty lay; The first of all the tribe lay there And did such pleasure take -- She who had brought great Hector down And put all Troy to wreck -- That she cried into this ear, 'Strike me if I shriek.' |
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作者:壺齋散人(引地博信) All Rights Reserved (C) 2007-2010 このサイトは、作者のブログ「壺齋閑話」の一部を編集したものである |