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レダと白鳥 Leda and the Swan |
ウィリアム・B・イェイツの詩集「塔」から「レダと白鳥」Leda and the Swan(壺齋散人訳) 一陣の風とともに巨大な白鳥が よろめく少女に飛び掛ると 水かきで 少女のふとともを愛撫し くちばしでうなじをくわえ 力ない少女の胸をその胸に抱いた 恐怖でしびれた指が どうして こじ開けられたふとももから 獣の手を払いのけられようか 白いイグサの中にねじ伏せられた身体が どうして 獣の心臓の音を聞く以上のことができようか 少女が腰をうごめかすと そこからは 壊れた壁 燃え盛る屋根と塔 そして死せるアガメムノンが生み落とされた とらわれの身となり 王者の血によって征服されたものは その力と知恵を獲得できるだろうか その不遜なくちばしから放り出される前に レダと白鳥の物語はギリシャ神話に出てくる。レダを愛したゼウスが白鳥の姿になってレダを誘惑し、子どもを生ませる。その子とはトロイアを滅亡に導いたヘレナである。 神話では、白鳥は鷹に追われるふりをして、レダに救いを求めることになっているが、この詩では白鳥は荒々しくレダを強姦する。その結果生まれてきたものはトロイアの廃墟だ。 |
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Leda and the Swan A sudden blow: the great wings beating still Above the staggering girl, her thighs caressed By the dark webs, her nape caught in his bill, He holds her helpless breast upon his breast. How can those terrified vague fingers push The feathered glory from her loosening thighs? And how can body, laid in that white rush, But feel the strange heart beating where it lies? A shudder in the loins engenders there The broken wall, the burning roof and tower And Agamemnon dead. Being so caught up, So mastered by the brute blood of the air, Did she put on his knowledge with his power Before the indifferent beak could let her drop? |
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作者:壺齋散人(引地博信) All Rights Reserved (C) 2007-2010 このサイトは、作者のブログ「壺齋閑話」の一部を編集したものである |