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舞いすがた Dance Figure:エズラ・パウンド



エズラ・パウンドの詩集「ペルソナ」から「舞いすがた」Dance Figure(壺齋散人訳)

  我が夜毎の夢に現れる
  黒い瞳の
  象牙のサンダルを履いた女よ
  お前ほどの美しさにはどのダンサーも及ばない
  お前ほどにすばしこい女はいない

  お前ほどの女を夜明けのテントの中に探したが
  見つからなかった
  お前ほどの女を井戸に集まった女の中に探したが
  見当たらなかった

  お前の腕は樹皮をはいだ若木のようだ
  お前の顔は陽を浴びた水面のようだ
  お前の肩はアーモンドのように白い
  皮をはいだばかりのアーモンドのように

  宦官がお前を守ってくれるわけでもなく
  銅の柵で守られているわけでもないが
  お前の寝床にはトルコ石や銀の細工があしらわれ
  黄金の糸で刺繍された褐色のローブが
  お前の体を包んでくれる
  おおナータット・イカナイエ 川辺の木よ

  お前の手はスゲの林を流れる小川のようだ
  お前の指は凍りついた沢水のようだ
  お前の侍女たちは小石のように白く
  お前を囲んで音楽を奏でている

  お前ほどの美しさにはどのダンサーも及ばない
  お前ほどにすばしこい女はいない


ガリラヤのカナとあるように、この詩はイスラエルの花嫁を歌ったものだろう。そのイスラエル人の女性とは、パウンドの恋人だとする説がある。

ナータット・イカナイエ(Nathat-Ikanaie)がどんな意味・背景を持っているのか筆者にはわからぬが、文脈からして「川辺の木」をさしているのだろう。





Dance Figure Ezra Pound
For the Marriage in Cana of Galilee

  Dark-eyed,
  O woman of my dreams,
  Ivory sandalled,
  There is none like thee among the dancers,
  None with swift feet.

  I have not found thee in the tents,
  In the broken darkness.
  I have not found thee at the well-head
  Among the women with pitchers.

  Thine arms are as a young sapling under the bark;
  Thy face as a river with lights.
  White as an almond are thy shoulders;
  As new almonds stripped from the husk.

  They guard thee not with eunuchs;
  Not with bars of copper.
  Gilt turquoise and silver are in the place of thy rest.
  A brown robe, with threads of gold woven in
  patterns, hast thou gathered about thee,
  O Nathat-Ikanaie, 'Tree-at-the-river'.

  As a rillet among the sedge are thy hands upon me;
  Thy fingers a frosted stream.
  Thy maidens are white like pebbles;
  Their music about thee!

  There is none like thee among the dancers;
  None with swift feet.





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