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今よりもっと愛する The More Loving One:W.H.オーデン



W.H.オーデンの詩「今よりもっと愛する」The More Loving One(壺齋散人訳)

  星空を見上げると 俺にはよくわかるんだ
  星がどう言おうと 俺は地獄へいくんだって
  この地上じゃどっちにしても変りはないさ
  人間を恐れるのも 獣を恐れるのも

  報いることが出来ないほどの情熱で
  星たちが輝くのを見るのは素敵だ
  星と同じほどの情熱を持てないまでも
  せめて今より愛することの出来るものになりたい

  俺がどんなに星を賛美したところが
  星にとってはどうでもいいことなんだ
  俺だって星を心底から愛したことが
  あるだなんて とてもいえないから

  もしもあらゆる星が消えてなくなったとしたら
  俺は星のないうつろな空を眺めることとなり
  暗黒を崇高なものと感じるようになるだろう
  それには少し時間がかかるかもしれないが


星空のない世の中に生まれたら、その人は暗黒をすばらしいものとして感じるようになるだろう、それが人間というものの、悲しむべき本質だからだ





The More Loving One

  Looking up at the stars, I know quite well
  That, for all they care, I can go to hell,
  But on earth indifference is the least
  We have to dread from man or beast.

   How should we like it were stars to burn
   With a passion for us we could not return?
  If equal affection cannot be,
   Let the more loving one be me.

   Admirer as I think I am
  Of stars that do not give a damn,
   I cannot, now I see them, say
   I missed one terribly all day.

   Were all stars to disappear or die,
   I should learn to look at an empty sky
   And feel its total dark sublime,
  Though this might take me a little time.





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