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クレージー・ジェーンと旅人ジャック Crazy Jane And Jack The Journeyman:イェイツの詩を読む



ウィリアム・B・イェイツの詩集「音楽のために」から「クレージー・ジェーンと旅人ジャック」Crazy Jane And Jack The Journeyman(壺齋散人訳)

  あのひとに見つめられたりしたら
  骨の髄までしびれてしまう
  でもドアを開けたままにしておくと
  たちまち愛も逃げてしまう
  愛とは夜の間だけ巻かれている
  糸巻きみたいにはかないもの

  神様を頼る幽霊なんて
  さびしい幽霊というべきよ
  地面に捨てられた糸巻きのように
  あたしは墓の中に放りこまれ
  光を求めて飛び出しても
  そこはおかあちゃんの腹の中

  たとえ冷たい臥所に
  独りっきりで横たわっていても
  あのひととは幽霊になっても離れられないから
  夜中に道をあるきながら
  あのひとがあたしを呼んだりすると
  あたしは死んだ身で歩かなきゃならない


クレージー・ジェーンにとって愛とは肉にまつわるものだ。それは死んだあとでも変らない。





Crazy Jane And Jack The Journeyman by William Butler Yeats

  I know, although when looks meet
  I tremble to the bone,
  The more I leave the door unlatched
  The sooner love is gone,
  For love is but a skein unwound
  Between the dark and dawn.

  A lonely ghost the ghost is
  That to God shall come;
  I - love's skein upon the ground,
  My body in the tomb -
  Shall leap into the light lost
  In my mother's womb.

  But were I left to lie alone
  In an empty bed,
  The skein so bound us ghost to ghost
  When he turned his head
  passing on the road that night,
  Mine must walk when dead.





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