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ユーラリー Eulalie:エドガー・ポーを読む



エドガー・ポーの詩「ユーラリー」Eulalie(壺齋散人訳)

  わたしがひとりで
  住んでいたのは苦悩の世界
  心の中はよどんだ流れのようだった
  そこへやさしいユーラリーが現れて花嫁になってくれた
  金髪で笑顔の美しいユーラリーが現れて花嫁になってくれた

  夜空に輝く星でさえも
  ユーラリーの輝く瞳ほど
  光り輝きはしない
  夜露が月明かりを受けて
  紫や銀色にそまった
  宝石のようなしずくでさえも
  しとやかなユーラリーの無造作な巻き毛ほど美しくはない
  輝く瞳のユーラリーの乱れ髪ほどすばらしくはない

  逡巡も 苦悩も
  もはや無縁だ
  ユーラリーが寄り添ってくれるから
  朝も夜も常に
  明るく力強く輝いてくれる
  大空の明星のように
  ユーラリーはわたしにいつくしみの目を向けてくれる
  ユーラリーはわたしにすみれ色の目を向けてくれる


ポーの詩にしてはめずらしく、無邪気な愛を素直に歌ったものだ。悲しみにとらわれていた青年が純真な乙女を妻にしたことで幸福な気分に変ることができたという、実に単純なストーリーなので、そこにポーらしい影を見ようとしても、見つからない。そんなところから、この詩はポーの作品の中ではあまり高く評価されないが、言葉のリズムそのものは、傑作といわれる詩に決して劣らない。





EULALIE.

I DWELT alone
In a world of moan,
And my soul was a stagnant tide,
Till the fair and gentle Eulalie became my blushing bride --
Till the yellow-haired young Eulalie became my smiling bride.

Ah, less -- less bright
The stars of the night
Than the eyes of the radiant girl!
And never a flake
That the vapour can make
With the moon-tints of purple and pearl,
Can vie with the modest Eulalie's most unregarded curl --
Can compare with the bright-eyed Eulalie's most humble and careless curl.

Now Doubt -- now Pain
Come never again,
For her soul gives me sigh for sigh,
And all day long
Shines, bright and strong,
Astarte within the sky,
While ever to her dear Eulalie upturns her matron eye --
While ever to her young Eulalie upturns her violet eye.





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