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ザンテの島 To Zante:エドガー・ポーを読む



エドガー・ポーの詩「ザンテの島」To Zante(壺齋散人訳)

  美しい島よ お前の名は花の中の
  花ともいうべきものからとられた
  何と輝かしい時間の何と多くの記憶が
  お前とともに蘇ってくることか!

  過ぎ去った幸福の何と多くの情景
  何と多くの費え去った希望が蘇ってくることか!
  だがもはやお前の緑なす丘に
  乙女の幻を見ることはない

  もはやという悲しい言葉がすべてを変える
  お前の魅力がわたしを喜ばせることはもはやない
  お前の記憶はわたしから消え去り

  これからはお前の花咲く渚も呪われた大地と変わる
  ヒアシンスが咲き乱れる島よ すみれ色のザンテよ
  黄金の島よ 東方の花よ


ザンテ島はイオニア海にうかぶギリシャの島だ。ホメロスによれば、トロイの王ダルダノスの息子ザキュントスによって最初の国づくりが行われ、オデュッセイがその統治を引き継いだ。後にヴェニスの植民地となり、東方貿易の拠点となった次期もあった。

ヴェニスはこの島を東方の花と呼んで、貿易のみでなくリゾート地としても尊重した。その名ザンテとはギリシャ語のザキュントスをイタリア風にいったものだ。





TO ZANTE.

  FAIR isle, that from the fairest of all flowers,
   Thy gentlest of all gentle names dost take!
  How many memories of what radiant hours
   At sight of thee and thine at once awake!
  How many scenes of what departed bliss!
   How many thoughts of what entombed hopes!
  How many visions of a maiden that is
   No more -- no more upon thy verdant slopes!
  No more! alas, that magical sad sound
   Transforming all! Thy charms shall please no more --
  Thy memory no more! Accursed ground
   Henceforth I hold thy flower-enamelled shore,
  O hyacinthine isle! O purple Zante!
   "Isola d'oro! Fior di Levante!"





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